
Taiga Takahashi
BAND COLLAR SHIRT
color : Heather Ivory
size : 14 , 15 , 16


形のベースとなるのは、1910年代のドレスシャツ。
例えば、スタンドカラーの背面に設けられたボタンホール。
その当時は、洗濯や洗剤の技術が今日のように発展していなかったため、
襟だけを取り外して清潔に保つことができるようにと考えられた仕様でした。
パターンの側面から見ても、100年以上前のシャツならではの特殊な構造。
肩線の傾斜はほとんど無く、アームホールに対して真っ直ぐはめ込んだようなアーム。
このような直線的な構造は、生産効率を重視した労働着の需要が高まった産業革命期が要因の一つとされています。


コットンレーヨンの薄手で柔らかな生地は、
長い年月の経過の中で、繊維がほぐれクタッと柔らかくなったかのような、
肌あたりからも時間の経過を感じさせる生地。
カスリ染めと呼ばれる日本に古来から伝わる染色技法で糸の段階でムラ染めを施し、
格子模様が途切れたような独特な表情に。
1950年代ごろのアメリカで流行したカスリ柄を彷彿とさせながらも、
当時のそれをリアルに再現するのではなく、
Taiga Takahashiはそのプロセスに日本の工芸技法を用いました。
ヴィンテージウェアの蒐集家でもある高橋氏ですが、
ただ忠実な古さを追求した洋服をつくるのではなく、
ディテールやパターン、用いられる工芸技法など、すべてのプロセスに高橋氏のルーツが複雑に注ぎ込まれた洋服です。